杜の舟型録帳/木工芸・童話・小説

南国奇譚3・背後霊
南国奇譚・3
背後霊【はいごれい】
昨年の春に出来たらしいホテルの新館は
確かに清潔ではあるが、旧館ロビーとの繋がりの床面に
幾つもの不可解な起伏があり、船酔い気分になってしまう。
天井にはメンテナンスと節電効果を上げるために
LED照明が埋め込まれ、射るような光線を飛ばしてくる。
ベットサイドの手明かりも御多分に漏れずLEDで
寝返りを打つたびに舞い上がる微塵のホコリが
チンダル現象を起こし、それらが小さな人魂のように
ふわふわと舞い飛んで見えるのである。
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文庫本の文字を追うにLEDはエッジ立つコントラストが目に痛い。
昨日古書店で、こうの史代の「この世界の片隅に」を見つけて
購入していたので、軽く読み流しながら絵を追うているうちに
そのまま寝込んでしまい、眼鏡は背中に潰されてぺったんこ。
未明に目覚め、薄暗がりの鏡に映る我が姿に
背後霊が重なり見えて、一瞬ギョッとなったが
何のことはない、押し潰された眼鏡の
光軸の歪みが見せた幻影であったらしい。

♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨NANGOKUKITAN♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨♨
湯場童◀南国奇譚4・半世紀の彼方から

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