杜の舟型録帳/木工芸・童話・小説

門下生4・無事納品
門下生というより門外生なのだが
いつの間にか軒先を貸してしまった感がある。
いくらヒヨコでも注文を受けて当価値で納品ができれば
もう一人前のプロである。
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『あのう、一応彫っては来たのですが・・・』
謙虚さ
というより引っ込み思案というのか
笑顔なのに声のトーンが暗い。
もう少し自信を持って出して見ろ。と思ったが
初めての注文に合格点が盛られるかどうか不安ではあろう。
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『これ、5本彫ってみました。』
先週、雑談の中で猫が好きだということを聞いて
少し遊んで見たのだという。
良い心構えである、相手の心や好みなど
とうてい汲み取れそうにないと思っていたが
門外生Kもそうそう、捨てたものだはないらしい。
しかしここで褒めそやすと伸びないから
判子の荒探しなどを始める。
印面が気になるので定規を充ててみる。
「印面を鏡のように磨けと言ったが歪んでいるぞ。
鏡というのは光り輝くだけだなく、水鏡の如く
平かなることがもっとも重要なことである。
砥面に直角にあて、印材の根元を持って
脇を締め、焦らず丁寧に磨く。
脇があまいと肩を中心に振り子になるから
印面が丸くなる。」
出来あがった判子にそんな難癖をつけているのに
有難いことに「猫もの」を2本買って頂くことになった。
『不都合があれば何時でも彫り直しします。』
良い姿勢である。
ちょこっとだけ門外生Kにも光が見えた。

✿✿✿✿✿✿✿MONKASEI✿✿✿✿✿✿✿
未だ門外門下生門下生5・彫丸堂
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生業ではないにしろ、物を売り買いするとなれば
領収証や請求書も発生することだし
連絡先もいるから名刺や工房名も必要になる。
しかし、この工房名を決めるのが厄介で
「なんとか印章堂」では荷が重かろうし
「彫」「刻」だけでは判子屋として認識しがたい。
『名前を入れた工房名もありますねえ』
「名は?」
『ケントです。』
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「君は飛べないケントだな。ちょっと根暗で落ちこぼれの
クラーク(暗落)ケント君かあ、実に良い名前だが
工房名には向かないね。」と毒を吐く。
『いえいえ、最初から上は目指していませんから・・・。』
ということで工房名は、また来週のお楽しみ。

この記事へのコメント
3200. morinof   URL  2017/01/31 19:27 [ 編集 ]
もう日程を決めただけで胃が痛くなります。
さて今年の「初恋の杜」どうなることでしょう。
3198. hiro   URL  2017/01/31 11:50 [ 編集 ]
これは、また、「ネコ好き」の心をくすぐる一品ですね。
愛猫がいなくなって、まだ心が満たされておりませんが。
夏の日程も決定したとの連絡を受けました。
どんな「初恋の杜」ができあがるのか楽しみです ♡
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0000morinof00000000000 福岡県筑豊の小高い丘の上に棲息工房「杜の舟」を生業としながら小説・児童文学などを執筆

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