杜の舟型録帳/木工芸・童話・小説

門下生1・未だ門外生
時折り若い門下生が門を叩くが
教えるという程のことでもなく
訊ねられたことに解ることは応え
解らねば一緒に考えるというだけのことである。
金もない技術もないが迷いと好奇心だけは
誰にも引けを取らないという門下生は多い。
きょう訪ねて来たその門下生も御多分に洩れずである。
『何時かはきっと。』と夢見ながら趣味で根付けなどを彫っているが
技術も木の素材の癖も乏しく「何故その材を使うのか。」と問えば
『安価に手に入りやすくて彫りやすいからです。』というから
「まだ君は美の蓄えが無い。もっと美を呼吸したまえ。」と一蹴し
金銭的にも技術的にも一番リスクの少ない判子彫りを勧め
「形が見えて来なきゃあ再び門を叩くな。」と帰しておいた。
009_20161030215138630.jpg
8㎜の黒檀の丸印に平仮名ひと文字からのスタートで
やるかやらないかが問題で
出来あがりなど期待もしていない。
本人がもっと上手くなりたいと思うならそれには応えるが
いくら彫りの技術を上げたところで仕事の速さを稼ぐ程度のことで
相手の心をつかむ作品にはなりえない。
010_2016103022021419d.jpg
判子を彫るなんて、たやすことのようだが
これまた「美の坩堝」のような仕事で奥が深いのである。
字の成り立ちや印鑑の文化や歴史などひとくさり話して
次は持ち込みの
縞黒檀材で10㎜の丸伴子に加工して
来週の日曜日に渡すことにした。
011_201610302212453b4.jpg
5本ばかりは先に仕上げて持ち帰るのだが
これも「形が見えない間は門を叩かせないぞ。」と脅しておいたが
一週間でどれだけできるかなあ
実に楽しみである。

✿✿✿✿✿✿✿MONNKASEI✿✿✿✿✿✿
未だ門外門下生門下生2・新たな課題
にほんブログ村 ハンドメイドブログ 木工へにほんブログ村 写真ブログへにほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ
この記事へのコメント
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

プロフィール写真
0000morinof00000000000 福岡県筑豊の小高い丘の上に棲息工房「杜の舟」を生業としながら小説・児童文学などを執筆

カテゴリ
最新記事
リンク
来場者数