杜の舟型録帳/木工芸・童話・小説

青空へ昇るには
展示会出張で3日間工房を空けて居ただけなのだが
丘を吹きわたる緑の風と草木の匂いが恋しくて
朝一番にまだ朝露で銀に濡れたままの月の広場を歩けば
黒く切り抜かれた切り絵のような不如帰の影が
せわしく啼きどうしたままで、空を翔けてゆき
裏の山では青啄木鳥がドラミングを木魂している。
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先月だったろうか、捩子花は何時咲くのだろう
もうとっくに時機を逸してはいないかと思ったことがあるが
伸びた夏草の中から、ひょろりと螺旋の花を覗かせていた。
毎年、待ち焦がれながら見ている筈なのに昨年は何時のころに
咲いたのだか忘れているのである。
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記憶に留めるには複数の事象を重ねると覚えやすいから
ふっと、Mさんが、この捩子花に出逢ったら
どんな風に思うのだろうと妄想してみるのである。
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『捩子花はね、梅雨の晴れ間、青空に昇る
花の螺旋階段だよ。』そう言いながら
まだ朝露に濡れた夏草の中に
仰向けに
華奢な身体を投げ打ったまま
空を透かして眩しく笑い、
小さな指先は
螺旋の階段をなぞりながら昇っていった。
そんな夏の朝。

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過去の頁をめくって見れば、風のガーデンの捩子花は
大抵、
梅雨明け前後に咲いているようだ。
来年はこの『梅雨の晴れ間、青空に昇る螺旋階段』の
妄想キーワードで記憶を呼び起こすことができるか
ちょっと楽しみである。

次なる難儀な創作作業に掛かるには
複雑に絡んだ仕事螺旋を解して
リフレッシュする必要もあり
風のガーデンを歩きながら
そんな妄想にふける
杜の舟であった・・・。

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0000morinof00000000000 福岡県筑豊の小高い丘の上に棲息工房「杜の舟」を生業としながら小説・児童文学などを執筆

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