杜の舟型録帳/木工芸・童話・小説

椿花控帖95・寂光
白い花は、たいてい霜に妬かれて茶色くなってしまうが
この花も例外なく純白のままに咲くのは少ない。
一日、気温の高い日があっても、既に蕾の時に
霜焼けを起こしているから外側の花弁や
縁の部分が変色していることが多い。
015_20150310205258505.jpg
寂光【じゃっこう】
移り白八重碗咲き、割蕊の中輪
ユキツバキ系の民家栽培種
1967年新潟の萩屋薫氏発表
雪椿系なのに、どうして霜なんかに簡単に
焼けてしまうのだろうなんて考えるけれど
ユキツバキ系と分類したのも霜焼けはいけない
などと決めつけるのも人の都合で
ただ花はそこにあるだけである。
014_201503110852187e8.jpg
蕊の間にも花弁が入り込み花芯
の雄蕊が
複雑に分かれて見えるのを割蕊と呼ぶらしい。

随分以前の頁に、なかなか好い写真と記事を
掲載したのを思い出したので
遡って、あらためて
その一枚の写真を転載してみた。

001_20120304175642.jpg
虫に喰われた一枚の葉と、それの寄り添う花の様が
ちょうどヴァイオリンを弾いているようで
こころがきゅん!となったのを思い出し、この花の
寂光の名が、ふたたび心にしみるのである。
確かに、この花を見れば寂し気にもうつるが
八重咲きと言うよりむしろ
メレンゲのように膨らんだ蓮華咲きの
ほの白き花弁に覗く淡い黄色の蕊は
心に秘めた静かなる炎
この芸術的椿葉食害痕は
まるで愛をうたうヴァイオリン
今宵、君にセレナーデ


❁Chinkahikaetyoh
①炉開き椿花控帖96・藪椿

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この記事へのコメント
2765. morinof   URL  2015/03/12 02:01 [ 編集 ]
このところ週末は御来客の応対で忙しくて製作時間がとれず
月火水の3日間に作業が集中してしまい、またこんな時間に・・・
時にメールを書き掛けては「忙しい。」の愚痴ばかりになり
書いてる自分まで嫌になって、そのまま放置している間に
文面も鮮度を失い、消去、消去になっていましたが
やっぱり、こうして「声」が聴けるのは嬉しいですねえ。
・・・・・・ほっ。
2764.      2015/03/11 22:08 [ 編集 ]
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0000morinof00000000000 福岡県筑豊の小高い丘の上に棲息工房「杜の舟」を生業としながら小説・児童文学などを執筆

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