杜の舟型録帳/木工芸・童話・小説

虎なのに

虎なのに使っている材料はゼブラウッド。
とら 
私の記憶では1960年~70年代にモダン家具などと
銘打って、洋服タンスやサイドボードの化粧板などに
流行った材料の一つである。
黄色地に黒い木目のコントラストが特徴的な材料で
当初からこれでやろうと決めてはいたのだが
入手するのに手こずってしまった
1年掛かりで探して大川市の材木商から入手できた。
この秋にカウンター用に製材した時のわき落としらしいが
土場に長年積まれていたようで腐朽がすすみヒビ割れも多い。
これが曲者で木目に添って割れずに、木目に対して概ね
45°の角度で無数にひびが入る

このゼブラウッドは乾燥の条件が悪いと、こんな最悪な
状態になるらしく、これも近年姿を見なくなった
要因の一つであろう。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
 そこで、ゼブラウッドについて濃い目の御紹介を。
名称 ゼブラノ、ゼブラウッド マメ科 落葉広葉樹 
産地はアフリカ。ガボン・ナイジェリア・カメルーン
タンザニアなどの熱帯雨林に育成。
特徴 淡黄褐色に濃褐色の縞杢 交錯杢理旋回杢理
硬度 超硬質  鋸挽き鉋掛け加工 困難 
 腐食耐久性 強靭  乾燥加工性 超困難
価格 1㎥50~60万円 材料の単価は㎥で表記される。
 今や希少高級材並みの単価。
こんな赤文字だらけだから使い手も無くなる。
70年代、売れるとなれば安易にプリント合板が出回って
安物家具の代表のようになったのも手伝って
木工業界から姿を消したのではないかと思われる。
希有な特質を持つ材料故に丁寧に使えば錬金術の如く
高付加価値を付けられるのに勿体ない。
錬金術でもう一筆。錬金術に用いる蒸留釜(アレンビック)
という名のギターメーカーがある。ここが70年代に
アーティスティックな装飾のギターを展開。
その中でもゼブラウッドを使ったものもあり
後にフェルナンデスと言うのが丸コピーしているくらい
秀逸なギターである。外観だけでなく性能の方も優れていて
ファンからはフェルナンデスのアレンビック写しで
フェルビックと呼ばれているようだ。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
 自称、木工界の錬金術師。
このゼブラウッドを使って捕らぬ狸の皮算用ならぬ
虎の皮算用。邪まな事を考え一人ほくそ笑む杜の舟であった。

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 邪ま繋がりでまだ書き綴り。
虎の縞模様は縦縞と呼ぶべきか、否、横縞か。
見ての通り背中から脇にかけて縦向きだと主張する輩。
頭から胴、尻尾にかけて横向きに。
自在なる尻尾などは疑う余地もなく明快なる横縞であろう派。
小生は尻尾理論を提唱した横縞派である。
そこで手当たりしだい辞書を調べてみた。
広辞苑も百科事典も国語辞典も「黄色の地に黒の横縞」で
尻尾理論に軍配が揚げられた。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
 前置きが長くなったが、虎を作るにあたって木工の
常識的な木取りで行けば虎の縞が縦向きになってしまう。
20頭ばかりやってみたが気に入らない。
木取りを変えると尻尾の強度がでない。
尻尾を一体化で彫り込めば強度は補えるが手間が懸かりすぎ
錬金術どころではない。さりとて安易には走りたくはないし
そこで邪まな事を考え非常識的な木取りでやることにした。
それが上の写真。ついでに衝立も作り、虎なら竹だろうと
絵を描いたが隠居臭い物になったからやめた。
そこで雛祭りまで使い回しできるように初春っぽく梅の古木を
描いて悦に入っている。
ここに至るまでの試作品は、春の夢くじで一等賞の棚に並ぶ予定
当店にはレア物狙いも多いゆえに初日で無くなってしまいますぞ。

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