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杜の舟型録帳/木工芸・童話・小説

増し贈る
横浜のYさんからのご依頼で
グラムハウス・エストニア風を手掛け
色々試作するうちに予定の6倍余りの量になり
早速展示室に並べていると予想外の高感度で
あっという間に展示分が半分以下になってしまった。
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気分を良くして横浜のYさんには
ちょっと増量して贈ることにした。
そこまで書き進んでハタと手が止まる。
むむむ・・・「増」「贈」は似ているぞ
そこでいつも頼ってしまうのが白川静氏の字解である。
「増」は土偏に甑(こしき)の形からなり
甑は湯を沸かして蒸気を立ち昇らせる釜の上に
食材を入れた蒸し器を重ねたもので、土を積み重ねることから
ます、ふえる、ふやす、くわえるの意味とする。
「贈」は貝偏に甑。同じく重なる、重ねるの
意味から、余分におくるものを贈と云い
、神祭事などに
貝や財物を用いることから貝偏が当てられている。
曲解もあろうが、甑に蒸し器を重ねる様などは
恭しく捧げる姿態にも似ていて美しい。
それからするとリッシン偏に甑、詰まりリッシンは
「立心」だから鬱鬱と心に積み重るは
「憎」となる。
ならば
善徳を重ねれば「僧」となるのか・・・
はい、言語回廊のお遊びはここまでにして
手間を重ねて発送の準備です。

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橅亥
Mさんお好みの『小さくて出来るだけ色白で杢が細くて
鼻が短くて目と口がコブタのようなのが一番偉いのだ。』の
一番偉い猪を作りながら「鼻の短いのは響きがいいね。」と
ふと思い立ち怪しげな蘊蓄の翼を広げる。
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これで3種の猪材が全部出揃った。
橅【ぶな】
厄除 恋愛成就

橅を無難と充て災難厄除を現す
気が気で無き想い華短し恋せよ乙女
出逢いは案外身近な目と鼻の先にあるかも
恋に迷わば鼻短き猪を選ぶが肝要成り
古来よりハートの形を猪の目と云うも
恋に縁ありや
:::

橅は木偏に無と書くことから
木が木で無いに気を充ててみる。
本人は真面目に
これ等一連の蘊蓄を
考えている積りで居るが
蔭で日向で『おやじギャグだろう。』と言われ
一理あるとは気付いている。

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梍亥
忙しいけれども工房に籠れないときは
案外暇なので、蘊蓄の続き
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梍【さいかち】
招運 合格成就

梍は木偏に白星を七度重ねると読み解きて
連勝強運を現す、また最勝と充て
引くを違わぬ猪突豨勇(ちょとつきゆう)なり
人に先んずるは僅か鼻の差故
長き鼻先の猪を選らばるるが肝要成り

私は元来ケチでエゴイストだから
少しでも自分に運が向いてくるように
真剣に心遊ばせ考えているのであるが
お客様の前ではそんな素振りは見せないように
ちゃんとわきまえている積りで居る・・・

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金梣亥
ゴールデンアッシュの蘊蓄を再度まとめて
展示室の干支コーナーに貼り立てる。
先日、商売は繁盛か繁昌かで悩んでいたが
昌の字を〼〼と見立てると、盛るより
〼の方が
稼ぎをジャンジャン掻き込むようで高揚する。
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金梣【きんとねりこ】ゴールデンアッシュ
金運 商売繁昌 上向昇気運

梣(とねりこ)の燻製材で腐るを知らず
落込み易き御仁に金の輝きをもたらす
上向昇気の守護猪なり
金心身に巡れば〼〼繁るを現す
鼻頭上向加減を選らばるるが肝要成り
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宜なるかな
まだまだまだグラムハウスの渦の中にある。
そんな中、ぷらぷらと膨れたビニール袋片手に
暢気そうな顔をした蒼林窯氏が現れ
『郁子を収穫しましたので御裾分けです。』

この秋は何だか忙しくって
アケビもムベも収穫し合えず
鳥の突っいて落としたのばかりを
横取りして喰っていた。
喰うに困っているわけではないのだが
これを口にせずして秋は越せぬ
一生の中で迎える秋なんて数十回しか
無いのだから、これを外すわけにはいかぬから
季節の戴き物は特に有難いことである。
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『うるうるに熟れているから美味しいですよ。』と
鼻先に差し出されたけれども
グラムハウスに憑りつかれていたから
折角の行為に御礼を云うより
「それ処ぢゃあないんだ。」と言葉を投げる。
口から出た言葉を拾って、それ処ってどれ処?と
「それ処ぢゃあないんだ。」の「それ」を反芻してみる。
相手も「それ」を知っていなければ成り立たない会話で
「それ」が今の状況であることが分かっていれば
「むべなるかな、宜なるかな。」と納まるわけだが
『ははは・・・。』と軽くいなされてしまった。
貰った郁子は明朝の散策の道すがらに
種を蒔き散らしながら歩くのが楽しみだ。
この種子だらけの食い物はストレス解消に良い
種子にねっとり纏わり着いた僅かな果肉ときたら
アケビなら京美人の如く和三盆の上品さであるが
この郁子は田舎娘の様な三温糖の甘やかさである。
どちらが好きか。と問われるならば、どちらも好きだ。
この果肉をツルツルになるまで舌先で剥ぎ取り
この行為中何も考えて居ず、禅の心か無我夢中で
剥ぎ取られた種子は鬱積したストレスを吐き出すが如く
散策道の路肩や土手に向け、
勢い吹き飛ばす。
食べ終わった頃には達成感に満ち溢れ
実に
爽快で陽気な気分になれるのである。
「・・・君も郁子を喰ってみないか。」

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